煙草小屋の一日

かずぃの煙草とお酒と映画についてのブログ

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煙草が趣味になった理由と目から鱗が落ちる瞬間

まず僕が葉巻を吸ったきっかけと、葉巻が趣味になった経緯、趣味が広がるということについて自分が考えていることを書きます。

1-1.葉巻を吸ったきっかけ・・・禁煙の決意

最初から何かがおかしいですが、気にしてはいけません。

なにぶんニコチンに頭がやられていた人間のやったことですので。

実は僕は禁煙しようとして葉巻にハマった人間です。

禁煙を決意したとき、

「どうせなら一番良い煙草を吸ってから禁煙しよう!」

と今考えると首を傾げまくる考えに何故か取りつかれ、葉巻を購入しようとしました。

ちなみに当時禁煙しようと決意した理由は「お金がかかるから」です。あれ? 

ともかく、煙草の王様である葉巻、その葉巻の中でもできるだけ良いものが喫いたい、そう考えてネットを彷徨っていると。僕の目的にぴったりなものが見つかりました。

エディション・リミターダ…限定葉巻⁉ 

見ると何やらよくわかりませんが、やたらと美味しそうな謳い文句が並べてあります。

この葉巻がいかに特別か、どれだけ厳選された材料で作られているか・・・等々。

予算的にも丁度良く、清水の舞台から飛び降りるつもりで購入を決意しました。

まぁ箱ごと購入する資金もなく、数本喫って禁煙するつもりだった僕は、2010年に発売された3種類のエディション・リミターダが各種2本ずつ入った6本入りのセットを一つ、シガーダイレクトで注文しました。

そしてなぜか注文時点から禁煙が始まります。喫ってからじゃなかったのか。

 

1-2.注文した葉巻が届くまで

前述のシガーダイレクト>は葉巻個人輸入代行業者ですので、当然販売している葉巻は海外に在庫してあります。

HPをみると、海外から自宅に届くまで一週間ほどかかるとのこと。

一週間。長い…。

ニコチン切れでふらふらしながらタバコ屋に行って、ダビドフのNO.3を購入して葉巻の試し喫いをしたのを覚えています。

我ながら見事なアホでニコ中です。

でも、まさに怪我の功名、これはやっておいて良かった。着火の仕方、吸い吹きの仕方を本番前に一通り練習でき、ついでにニコチンの補給ができました。

突っ込みどころはたくさんありますが、突っ込まないでやってください。

 

2.葉巻が趣味になった経緯・・・目から鱗が落ちる瞬間があった! 

さて、注文して9日目、ついに葉巻が届きました。

荷物を受け取り、関税を払って、ここまではシミュレーション通り。

色々なHPを見て「一か月は葉巻を休ませたほうが良い」なんて書いてあるのを見た記憶が一瞬頭の中を横切りますが、シガーダイレクトは輸送に気を使っている旨をHPで喧伝していたし、ええい、僕はこの会社を信じる! ということで即座に開封しました。

小包を開封しての感想は、

「すごい! 長さが全然違う!」でした。

いつも喫っていたセブンスターと比べて、じゃないです。

同じエディション・リミターダなのに、銘柄によって長さが見事にばらばらだったので驚いたのです。

もうこの時点で葉巻に引き込まれていました。これだけ自由なデザインが許される葉巻というものに、ただただ驚嘆を感じていたんですね。

思えば当時は葉巻どころか市販の紙巻き煙草の知識にすら乏しかったように思います。

ピアニッシモだってあったしメンソール煙草もありました。両切りの煙草も販売されていました。

しかし僕は知らなかった。興味がなかったんです。

今思い返してみても、煙草を喫っていたのは本当にニコチン補給の為だけだった。

意地、みたいなもので煙草を続けていたんですね。周りの圧力でやめるのが嫌だ、みたいな意地。でも実際はやめないとなぁ、とは思っている。で、無理矢理理由を付けて禁煙。理由が浅薄だから続くはずがない。結局失敗、そこにまた理由づけ、僕の禁煙はこんなことの繰り返しでした。

 

その無間回廊から脱出する瞬間。これは今でも鮮明に憶えています。

 

最初に喫ったのはパルタガスのセリー・D・エスペシャでした。

僕は葉巻というのは煙草を更に強力にしたようなものだと考えていました。

つまり、とてつもなく強くてとてつもなく辛い、それが葉巻だと。

そしてそれを喫うことこそが煙草と縁を切る一番の記念になると妄信していました。

良い煙草がどういうものか、僕はまるで分っていませんでした。

 

火をつけてひと喫いしてみる。

…。

ん!? 

甘い!? これ、甘いぞ!? 

 

そう、甘かったんです。辛いだけの煙草しか喫っていなかった、いや、辛いだけの煙草を喫う方法しか知らなかった僕にとって、これは衝撃的でした。

煙は柔らかく、肺に入れても心地よい強さが響くばかり。ニコチンの陶酔感と、クリームのような濃厚な甘み。思わず「く~~~っ!」と口走っていました。

ニコチンに飢えていたことも原因の一つにあるのでしょうが、本当に感動しました。

葉巻がこんなに美味しくて素晴らしいものだったなんて! 

そして僕はこの時、陶酔に浸りながら何故か、自分の初恋を思い出していました。

 

人生の中で、目から鱗が落ちる様な瞬間って、なかなか無いと思うんです。

それは齢を重ねるほどに色々なことを知っていくからで、逃れようのないことだと思うんです。

それがこんなところにまだ残っていた。

 

まるで子供のようにウキウキワクワクしました。

完全に幼児退行して初恋の思い出を巡らせている間に、最初の葉巻は終わりました。

続いて二本目。トリニダッドのショート・ロブストスです。

こちらは喫った時の衝撃ではパルタガスに敵わないものの、より荒々しく、それでいて更にきめ細かい煙。

まるでオレンジがきめ細かいふかふかのパンの上に乗っていて、そこに黒コショウを散らしたものを煙として喫っているかのようでした。

これは素晴らしい体験で、この銘柄は後に箱買いしています。

次の日に三本目、モンテクリストのグラン・エドモンド

青草のような香りがすっとしたかと思うとそこに木の香りがグッと乗ってくる。

今までのものよりも軽めの味わい、あっさりとしていて爽やか。味が途中でぐんにゃりと変わっていく。

どストレートに美味しい葉巻ではありませんでした。

何より甘さが無い。

煙草葉の甘さに魅せられていた僕にとってはあまり美味しい葉巻だとは思えなかった。

しかしそれでも驚きがありました。

「同じ葉巻なのにこんなにも味わいが違う!」

これも紙巻煙草ではできなかった体験でした。

昨日のウキウキワクワクが続いていたのもあり、喫ったのが好みに合わない葉巻だったにも拘らず、もう止められない。 

ここから葉巻にどっぷりはまりました。

 

3.趣味が広がるということ・・・煙草が趣味になり、煙草が趣味を広げた

葉巻を始めてからというもの、今までの煙草生活はがらりと姿を変えました。

いろんな種類の葉巻を試し、個人輸入でトラブルを経験し、葉巻の保管で失敗し。

パイプ煙草、手巻煙草にも手を出しました。

今まで惰性で喫っていた紙巻煙草にも様々な味わいがあることに気づきました。

一番良かったのは、葉巻とお酒とのマリアージュを探り始めたことでした。

葉巻と一緒に毎晩お酒を飲むので鍛えられ、あまり好きでなかったお酒が美味しいと感じられるようになりました。

それまで会社の飲み会で「最初の一杯だけ」だった僕が、「強いねぇ」と言ってもらえるほど飲めるようになりました。

そこそこ飲めるようになったためか、飲み会が楽しくなりました。

それまで非常に苦手だった飲み会が楽しくなることで、多方面に自信が付きました。

恐らく、趣味が広がるということは、趣味として没頭していたものから生活に良い影響が生じ、その生じた良い影響が自分と人との新しい関係を結んでいく・・・そういったものだと僕は考えています。

 

5.まとめ

趣味が広がるということには計り知れない力があります。

そして、その趣味の領域に於いて、煙草という趣味は侮れない奥深さと計り知れない楽しさを持っていると、僕は実感しています。

 

この記事を読んで葉巻に少しでも興味を持った方がいたら、嫌煙のご時世ですが、まず始めてみてください。

そこには驚きが、目から鱗が落ちる瞬間が、あるはずです。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。