煙草小屋の一日

かずぃの煙草とお酒と映画についてのブログ

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RAMON ALLONES Specially Selected SLB 50

ラモン・アロネス スペシャリー・セレクテッド

原産国:キューバ   シェイプ:ロブスト

リングゲージ:50   長さ:124㎜

購入先:Cigar of Cuba    ボックスコード:OGAーMAR,12

 

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ラモン・アロネススペシャリー・セレクテッド(50本入りキャビネット)。

本日はこちらを喫いたいと思います。

高名な葉巻なので、知っていらっしゃる方も多いかと。

 

リミターダで葉巻を覚えた僕は次にいろんな葉巻を試してみたくなりました。

ブランドによって味が違うのはわかりましたが、レギュラー銘柄がどの程度のレベルなのかはわかりませんでしたし、試せたのもわずか六本三ブランドのみ。もっといろんなブランドの葉巻を、できたら少しずつ試していきたかった。

ということで、お手軽に色々試せるものはないかと探し回っていたわけです。

有名銘柄には三本入りや五本入りの紙パックがありました。こちらにも後々手を出していくことになりますが、この時手を出したのはCigar of CubaのTasting Samplers、25 ROBUSTOSです。

僕が購入した時からリストが変化していますが(ロメオ・イ・フリエタショート・チャーチルの代わりにボリバーロイヤル・コロナが入っていました)、現在の内容も悪くありません。問題は値段で、僕が購入した時より$70位値段が上がっています。現在、25 ROBUSTOSの価格は$359で、五銘柄の平均価格は$273.4になるので、激しく割高に感じます。ラモン・アロネス以外の銘柄は紙パック入りのものが用意されているので、現在はそちらを購入したほうが良いかもしれません。

僕はこの時、電卓とにらめっこしながらどっちが安いか計算していたんですが、当時はこのセットの価格と五銘柄の平均価格はほぼ五分か寧ろセットの方が安いくらいでした。ならばお得じゃん、ということで注文、そしてまずは一本ずつ各銘柄を試していきました。

この時、別格に美味しく感じたので脇に除けておいた銘柄が二つあります。

一つはオヨ・デ・モンテレイエピキュアNO.2、そしてもう一つが今回の葉巻、ラモン・アロネススペシャリー・セレクテッドです。

両者とも、甘みの質が自分好みだったのです。両者の甘みの方向性はだいぶ違うのですが、その両方共が好みだったのですね。

二十五本の葉巻は瞬く間に消えました。

各ブランドを代表するロブストを喫っていたのだから、当然といえば当然です。同時に購入したフォンセカコサコスの印象が無い位、どの銘柄も素晴らしかった。特にラモン・アロネスは気に入り、後にキャビネットで箱買いしました。

キャビネットと箱では味が全然違う、というまことしやかに囁かれている噂に流されて、「それならキャビネを買うしかないな!」と決断したわけです。25 ROBUSTOSに入っていた葉巻にはボックス・プレスの跡が見受けられましたので、二十五本入りのボックスからの葉巻だったのでしょう。この時味わった記憶と手元にある五十本入りキャビネの味わいを比較すると、確かに両者に味わいの差が感じられます。五十本入りキャビネの葉巻の方が味わいがくっきりしているように感じられます。一つ一つの味わいが際立っているとでもいうのでしょうか。本当にお気に入りの葉巻はキャビネットで購入したほうが良いというのはあながち間違いではない、と僕は考えます。

 さて、実はしばらく吸っていなかったラモン・アロネススペシャリー・セレクテッドですが、どのようになっているでしょうか? 美味しくあって欲しいものです。


 

1.着火

着火すると、非常に強い草の香り。重心の低いラモン・アロネス特有の草の香で、これを感じると、「ああ、ラモン・アロネスを喫っているなぁ」と実感したりします。みかんの酸味とブラックペッパー。吸い込みと手に持った時の重量が軽い、これは本領発揮とはいかないかもしれません。

 

2.前半

草の軽やかな甘みが前面に出てきます。オレンジの香味、後味に清涼感が残るのでオレンジガムを噛んでいるかのような錯覚に陥ります。木の香味が香りだし、後味に草いきれ。次第に草の甘みはオレンジの香味に吸収されていきます。
同じラモン・アロネスブランドのスモール・クラブ・コロナスでも、このオレンジの香味は顕著に感じられることが多いです。
粉っぽい、ひたすらに粉を感じさせるこの感触。皮革の香り。砂と土の香味。西部劇の決闘シーンを固唾を飲んで見守っている印象です。その上を風のように甘みが吹き抜ける。そうなると、時折感じる草の香味もタンブルウィードのように思えてきます。
この葉巻、当たった時にはこの辺りでビターチョコレートやココアの香味が出ます。甘草やミルク、ヨーグルトやシナモンが出たり、珈琲とカラメルが出るときもあります。
共通している香味は草と皮革、細かい土辺りでしょうか。

 

3.中盤

灰二つ落ちて中盤を過ぎた頃。
香水の香りが漂い始めると、甘みが減衰し、ビターさと辛さが目立ちはじめます。チーズのようなコクが一瞬現れたかと思うと消えてしまう。そしてそのあとには強烈な木のコクが残ります。底辺には変わらず粉っぽい土が流れ、そしてこの土が非常に甘い。餡子のようなどっしりとした甘さです。思い出したかのようにオレンジが現れては消えて行きます。
スペシャリー・セレクテッドの中盤は、幾多の要素によるコクと甘みの饗宴、といった様相を呈することが多いのですが、この一本はちょっと届きません。煙草葉が基準よりも詰まっていないのではないでしょうか。

 

4.終盤

バンドが外れて終盤。
強さが香味を打ち消すほどに強くなり、しかし根底に流れる土と皮革がとろりとした甘さを届けてくれます。
明らかに強さを増したため、ペースが極端に落ちます。僕は、へヴィな葉巻には二種類あると考えてます。それは明らかにへヴィな葉巻と、静かにへヴィな葉巻です。スペシャリー・セレクテッドは後者だと僕は今まで考えていました。しかしこの一本は前者です。明らかにヘヴィストレンクス。ボディはミディアム・フル位でしょうか。

 

5.ラスト

ラストはようやく強さが奥まったところへ行き、甘みがふっくらと膨らんでいきますが、皮革と土に邪魔されます。

 

6.総評

80分で終了。ドローと重量が軽かったためか普段120分以上かかるロブストが2/3の時間で終了しました。今回のスペシャリー・セレクテッドは外れてしまいましたが、本来は種々の甘みとコクが現れては消えてゆき、それとともに強さが増していくという、非常に魅力的な葉巻です。僕が単に甘党なだけかもしれませんが、チョコレートが強く出たときなんかは本当にうっとりできます。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。