煙草小屋の一日

かずぃの煙草とお酒と映画についてのブログ

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HOYO DE MONTERREY Le Hoyo du Gourmet

オヨ・デ・モンテレイ レ・オヨ・デュ・グルメ

原産国:キューバ   シェイプ:スリム・パナテラ

リングゲージ:33   長さ:170㎜

購入先:Cigar One    ボックスコード:EARーABR,02

 

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本日はオヨ・デ・モンテレイレ・オヨ・デュ・グルメです。

 

葉巻を覚えてしばらくの間、Cigar of CubaのTasting Samplersを中心に色々な葉巻を試していました。

毎日大好きな葉巻が喫えて、月に何回かは新しい葉巻を試す。素晴らしい日々です。

そんなある日、Tasting SamplersでVintage Samplerというものが売り出されました。

中身は確か、パルタガス 8-9-8バーニッシュ、ベガス・ロバイナ ウニコス、パンチ ロイヤル・セレクションNO.11、ロメオ・イ・フリエタ エクスヒビジョンNO.3、コイーバ シグロⅤの五種各三本で、どれも2000年近辺に生産されたもの。

およそ十年の熟成モノ。

葉巻は熟成させると云々という話を散見していたので、試しに購入。

これがまた、驚くほど美味しかったのです。

葉巻を熟成させたがる人がいるのも頷けました。

「よし、自分も箱買いして熟成させよう!」

いや、無理。そりゃ、考えましたけど。

如何せん当時の僕には、買った葉巻を保管する環境がありませんでした。

ヒュミドールもない、保湿器もない、湿度計はおろか、温度計すらない。

ただ到着した葉巻をジップロックに入れ、端から消費していくスタイルでした。

ではどうしたか? 保管環境を整えたのか? 答えはNOです。

「熟成葉巻が美味しいなら最初から熟成されたものを買えば良いんじゃない?」

こうなりましたね。

ヒュミドールを買うお金があったら葉巻を買いたかったんです。

二十五本入りサンプラーを購入しても、毎日最低一本喫うなら一月も持たない。

ジップロックで十分といえば十分だったんです。

実際、僕が葉巻の保管環境を整えだしたのは、購入する葉巻が消費する葉巻を大幅に上回りだしてからでした。

そういうわけで購入したのがこのオヨ・デ・モンテレイのレ・オヨ・デュ・グルメ。

見ての通り、非常に細長い葉巻ですので、吸い込みに問題のある個体が多いです。
しかし吸い込みの良いものに当たれば、非常に魅力的なこの葉巻。楽しみ。

 

1.着火

心配だった吸い込み具合は良好。着火すると、草と木材の香りが立ち込めます。

まろやかだが力強い、オヨらしい黒糖の甘さ。好感触です。

 

2.前半

木質系のコクが非常に深い。そして化粧香が立ち込めてきます。 着火後漂っていた黒糖はどんどん深みを増し、コイーバのランセロスを熟成させたものに近い味わいを醸し出してきます。 これは凄い! 若干の金属感がありますが、それすら美味しく感じます。  

3.中盤

一喫い毎、喫い方一つでコロコロと表情が変わります。 軽く吸うと草の甘みが染み出し、強く吸うと化粧香が漂います。 紅茶のニュアンスや、どこか和風な箪笥のような香りも出てきて、只々美味しい。 ふと、甘みがこれまでに無い位どっと噴き出す。これは参った、間違いなく美味。 口の奥、喉の前に甘みがこびりつく。 それに伴い、草、花、木の蜜、薄い土なんかが溢れる、鮮烈にして繊細な味わい。

 

4.終盤

甘みがやや減衰してきて、塩味を伴った海産物のコクのある味わいが出てきます。

これは珍しい。

しばらくして再び化粧香が強まり、塩ピーナッツに蜂蜜をかけたような味わいに変化。

この辺りはラ・グロリア・クバーナのメダイ・ドールNO.1と被るものがあります。

 

5.ラスト

餡子の甘みとナッツが強く主張しだす。残り1センチまで喫って、惜しみながら終了。

 

6.総評

60分で終了。実に美味でした。口の中がまだ甘い、う~ん、幸せ。 正直、この箱でこれほど当たったのは初めてです。

特に前半~中盤までの強い甘みと様々な香味は筆舌に尽くし難く、貴重な体験でした。

後半ちょっとバランスが崩れましたが、それでも平均よりもはるか上の味わいでした。

2003年にハバノスの多くの銘柄で葉のブレンドが変わったという話を聞いたことがあります。

もし、この葉巻がブレンド変更に巻き込まれていなければ、是非とも買い足して寝かせておきたいものです。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

RAMON ALLONES Specially Selected SLB 50

ラモン・アロネス スペシャリー・セレクテッド

原産国:キューバ   シェイプ:ロブスト

リングゲージ:50   長さ:124㎜

購入先:Cigar of Cuba    ボックスコード:OGAーMAR,12

 

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ラモン・アロネススペシャリー・セレクテッド(50本入りキャビネット)。

本日はこちらを喫いたいと思います。

高名な葉巻なので、知っていらっしゃる方も多いかと。

 

リミターダで葉巻を覚えた僕は次にいろんな葉巻を試してみたくなりました。

ブランドによって味が違うのはわかりましたが、レギュラー銘柄がどの程度のレベルなのかはわかりませんでしたし、試せたのもわずか六本三ブランドのみ。もっといろんなブランドの葉巻を、できたら少しずつ試していきたかった。

ということで、お手軽に色々試せるものはないかと探し回っていたわけです。

有名銘柄には三本入りや五本入りの紙パックがありました。こちらにも後々手を出していくことになりますが、この時手を出したのはCigar of CubaのTasting Samplers、25 ROBUSTOSです。

僕が購入した時からリストが変化していますが(ロメオ・イ・フリエタショート・チャーチルの代わりにボリバーロイヤル・コロナが入っていました)、現在の内容も悪くありません。問題は値段で、僕が購入した時より$70位値段が上がっています。現在、25 ROBUSTOSの価格は$359で、五銘柄の平均価格は$273.4になるので、激しく割高に感じます。ラモン・アロネス以外の銘柄は紙パック入りのものが用意されているので、現在はそちらを購入したほうが良いかもしれません。

僕はこの時、電卓とにらめっこしながらどっちが安いか計算していたんですが、当時はこのセットの価格と五銘柄の平均価格はほぼ五分か寧ろセットの方が安いくらいでした。ならばお得じゃん、ということで注文、そしてまずは一本ずつ各銘柄を試していきました。

この時、別格に美味しく感じたので脇に除けておいた銘柄が二つあります。

一つはオヨ・デ・モンテレイエピキュアNO.2、そしてもう一つが今回の葉巻、ラモン・アロネススペシャリー・セレクテッドです。

両者とも、甘みの質が自分好みだったのです。両者の甘みの方向性はだいぶ違うのですが、その両方共が好みだったのですね。

二十五本の葉巻は瞬く間に消えました。

各ブランドを代表するロブストを喫っていたのだから、当然といえば当然です。同時に購入したフォンセカコサコスの印象が無い位、どの銘柄も素晴らしかった。特にラモン・アロネスは気に入り、後にキャビネットで箱買いしました。

キャビネットと箱では味が全然違う、というまことしやかに囁かれている噂に流されて、「それならキャビネを買うしかないな!」と決断したわけです。25 ROBUSTOSに入っていた葉巻にはボックス・プレスの跡が見受けられましたので、二十五本入りのボックスからの葉巻だったのでしょう。この時味わった記憶と手元にある五十本入りキャビネの味わいを比較すると、確かに両者に味わいの差が感じられます。五十本入りキャビネの葉巻の方が味わいがくっきりしているように感じられます。一つ一つの味わいが際立っているとでもいうのでしょうか。本当にお気に入りの葉巻はキャビネットで購入したほうが良いというのはあながち間違いではない、と僕は考えます。

 さて、実はしばらく吸っていなかったラモン・アロネススペシャリー・セレクテッドですが、どのようになっているでしょうか? 美味しくあって欲しいものです。


 

1.着火

着火すると、非常に強い草の香り。重心の低いラモン・アロネス特有の草の香で、これを感じると、「ああ、ラモン・アロネスを喫っているなぁ」と実感したりします。みかんの酸味とブラックペッパー。吸い込みと手に持った時の重量が軽い、これは本領発揮とはいかないかもしれません。

 

2.前半

草の軽やかな甘みが前面に出てきます。オレンジの香味、後味に清涼感が残るのでオレンジガムを噛んでいるかのような錯覚に陥ります。木の香味が香りだし、後味に草いきれ。次第に草の甘みはオレンジの香味に吸収されていきます。
同じラモン・アロネスブランドのスモール・クラブ・コロナスでも、このオレンジの香味は顕著に感じられることが多いです。
粉っぽい、ひたすらに粉を感じさせるこの感触。皮革の香り。砂と土の香味。西部劇の決闘シーンを固唾を飲んで見守っている印象です。その上を風のように甘みが吹き抜ける。そうなると、時折感じる草の香味もタンブルウィードのように思えてきます。
この葉巻、当たった時にはこの辺りでビターチョコレートやココアの香味が出ます。甘草やミルク、ヨーグルトやシナモンが出たり、珈琲とカラメルが出るときもあります。
共通している香味は草と皮革、細かい土辺りでしょうか。

 

3.中盤

灰二つ落ちて中盤を過ぎた頃。
香水の香りが漂い始めると、甘みが減衰し、ビターさと辛さが目立ちはじめます。チーズのようなコクが一瞬現れたかと思うと消えてしまう。そしてそのあとには強烈な木のコクが残ります。底辺には変わらず粉っぽい土が流れ、そしてこの土が非常に甘い。餡子のようなどっしりとした甘さです。思い出したかのようにオレンジが現れては消えて行きます。
スペシャリー・セレクテッドの中盤は、幾多の要素によるコクと甘みの饗宴、といった様相を呈することが多いのですが、この一本はちょっと届きません。煙草葉が基準よりも詰まっていないのではないでしょうか。

 

4.終盤

バンドが外れて終盤。
強さが香味を打ち消すほどに強くなり、しかし根底に流れる土と皮革がとろりとした甘さを届けてくれます。
明らかに強さを増したため、ペースが極端に落ちます。僕は、へヴィな葉巻には二種類あると考えてます。それは明らかにへヴィな葉巻と、静かにへヴィな葉巻です。スペシャリー・セレクテッドは後者だと僕は今まで考えていました。しかしこの一本は前者です。明らかにヘヴィストレンクス。ボディはミディアム・フル位でしょうか。

 

5.ラスト

ラストはようやく強さが奥まったところへ行き、甘みがふっくらと膨らんでいきますが、皮革と土に邪魔されます。

 

6.総評

80分で終了。ドローと重量が軽かったためか普段120分以上かかるロブストが2/3の時間で終了しました。今回のスペシャリー・セレクテッドは外れてしまいましたが、本来は種々の甘みとコクが現れては消えてゆき、それとともに強さが増していくという、非常に魅力的な葉巻です。僕が単に甘党なだけかもしれませんが、チョコレートが強く出たときなんかは本当にうっとりできます。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

PUNCH Serie D'Oro NO.2 Edición Limitada 2013

本日の葉巻はこちら。パンチのセリー・ドロ・NO.2です。

原産国:キューバ   シェイプ:ベリコソ

リングゲージ:52   長さ:140㎜

購入先:Cigar One    ボックスコード:BRSーJUL,13

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前回のお話の通り、僕の初葉巻は2010年のエディション・リミターダ3種でした。

その影響なのでしょうか、エディション・リミターダシリーズは自分に合った葉巻だと感じています。

品質は他より頭一つ抜けて安定しているし、記念日などにも選びやすいです。

 

このパンチ セリー・ドロ NO.2は2013年に発売されたエディション・リミターダ三種の内の一つで、パンチというブランドからは初となるエディション・リミターダでした。

値段が(コイーバやトリニダッドなどの高級ブランドを除く)他のエディション・リミターダよりも若干高めでしたが、TOP CUBANSのセール時の売り文句に

「確かに高価に思えるかもしれないが、その価値はある葉巻です」

とあり、購入に至りました。

実際に何本か喫ってみて、この売り文句は嘘ではなかったと感じます。

この葉巻、兎に角安定しています。

春夏秋冬いつでも同じレベルの味に出逢えます。

バラツキの激しいハバナ葉巻の中では珠玉の出来と言って良いでしょう。

作りも良いです。上の写真でバンドから左側、すっと細くなっていますね。

この部分の張りが実にふっくらとしていて可愛らしい。

僕の所持している葉巻の中で、このレベルでふっくらしているのは、ベガス・ロバイナのスイス向けレジオナル・エディションのプチ・ウニコス位です。

 

1.着火

着火後すぐは草の香りが中心。

この草の香りですが、エグミが強くてエッジの効いた、しかしどこかクリーミーな草の香りで、最初から強めの煙草感と相まって「葉巻を吸っているなぁ」と実感します。

エグミなんて書くと何か美味しくなさそうですが、実際は美味しく頂いております。

美味しそうに書くのって難しいですね。

 

2.前半

着火してから暫くすると味わいに変化が。

木材、珈琲、ココアなどの香り、そして強めの蜂蜜の味わいが際立ってきます。

レジオナルやリミターダに於けるパンチというブランドの特徴として、僕はこの蜂蜜の味わいを挙げます。

これはうまく出ると、蕩けそうになるくらい美味しい。

当たりのセリー・ドロ・NO.2の場合、更にシナモンやオークモスの香味が重なります。

そうなるとまるで、暗い森の中で椅子に腰かけて蜂蜜とシナモン入りのコーヒーを飲んでいるかのような体験をすることができます。

 

3.中盤

灰が一つ落ちて中盤。

カスタードクリームを喫っているかのような濃厚な香味が前面に押し出されてきます。

ここが、この葉巻の一番の見せ場でしょう。

濃厚さが欠けるものだとカスタードではなくバニラエッセンスのように感じられますが、それでも美味い。

今回の葉巻は更に、甘い皮革の香味がしっかりとカスタードを支え、珈琲などのビーンズ系の香味は裏に回り、感じ取れなくなってきています。

中盤がこの美味しさなら、今回の葉巻は大当たりだと言って良いでしょう。

 

4.終盤

リミターダのバンドが外れ、終盤に入ります。

ここまで続いてきた蜂蜜の味わいはやや浮わついているかのように感じていましたが、ここにきてカスタードクリームが消えてきたことにより、皮革の味わいが上から上手く押さえつけている印象。

土の香りが立ち始めると、ココアが強くなり、後味にベリー系の爽やかな香味が残る。

技術的な美味しさを感じます。工業製品的な、そんな美味しさ。

コクも十分に味わえ、喫感、煙草感ともに重厚で申し分ない。

 

5.ラスト

バンドがすべて外れ、ラストへ。

喫感が一気に強くなる。フルストレンクスのフルボディ。

やや重心の高いさっぱりした香味に、地に足の着いた土系のスパイスが絡む展開。

仄かなアルコール感にお菓子のような香味、同ブランドのイギリスレジオナルのメダラ・デ・オロの香味を薄くして水を足したような印象。

そして数喫い後、まさかの追いカスタード。更に血の滴る肉の味。

時間が時間なのでもう止めたいのだが、美味しくて止められない。

2時間以上喫って終了。

 

6.総評

値段分の価値は十分にある葉巻でした。

購入時の価格は$428。

リミターダにしては高いなぁと思いながら買いましたが、この味わいと作りの良さなら文句が言えません。

パンチブランド特有の「分かり易さ」があるため、高級感のある葉巻にもかかわらず、許されるなら毎日でも喫いたい、しかし一本で十分満足して眠れる葉巻です。

当たり外れの差が少ないため安心感があり、特別な時には優先的に手が伸びてしまう葉巻でもあります。

従って、減りが速い。

この葉巻の箱を25本入りにしたハバノスはよくわかっているなぁと思うわけです。

 

リミターダには特有の水っぽさがあるとよく言われます。

このセリー・ドロ・NO.2に関して言えば、購入当初はどのリミターダよりも水っぽさを感じていました。

しかし購入して2年、今ではラストの数喫いに水っぽさを感じるのみ、いつの間にか気にならないレベルまで水っぽさが減衰しています。

リミターダの水っぽさって、熟成で消えるのかもしれませんね。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

煙草が趣味になった理由と目から鱗が落ちる瞬間

まず僕が葉巻を吸ったきっかけと、葉巻が趣味になった経緯、趣味が広がるということについて自分が考えていることを書きます。

1-1.葉巻を吸ったきっかけ・・・禁煙の決意

最初から何かがおかしいですが、気にしてはいけません。

なにぶんニコチンに頭がやられていた人間のやったことですので。

実は僕は禁煙しようとして葉巻にハマった人間です。

禁煙を決意したとき、

「どうせなら一番良い煙草を吸ってから禁煙しよう!」

と今考えると首を傾げまくる考えに何故か取りつかれ、葉巻を購入しようとしました。

ちなみに当時禁煙しようと決意した理由は「お金がかかるから」です。あれ? 

ともかく、煙草の王様である葉巻、その葉巻の中でもできるだけ良いものが喫いたい、そう考えてネットを彷徨っていると。僕の目的にぴったりなものが見つかりました。

エディション・リミターダ…限定葉巻⁉ 

見ると何やらよくわかりませんが、やたらと美味しそうな謳い文句が並べてあります。

この葉巻がいかに特別か、どれだけ厳選された材料で作られているか・・・等々。

予算的にも丁度良く、清水の舞台から飛び降りるつもりで購入を決意しました。

まぁ箱ごと購入する資金もなく、数本喫って禁煙するつもりだった僕は、2010年に発売された3種類のエディション・リミターダが各種2本ずつ入った6本入りのセットを一つ、シガーダイレクトで注文しました。

そしてなぜか注文時点から禁煙が始まります。喫ってからじゃなかったのか。

 

1-2.注文した葉巻が届くまで

前述のシガーダイレクト>は葉巻個人輸入代行業者ですので、当然販売している葉巻は海外に在庫してあります。

HPをみると、海外から自宅に届くまで一週間ほどかかるとのこと。

一週間。長い…。

ニコチン切れでふらふらしながらタバコ屋に行って、ダビドフのNO.3を購入して葉巻の試し喫いをしたのを覚えています。

我ながら見事なアホでニコ中です。

でも、まさに怪我の功名、これはやっておいて良かった。着火の仕方、吸い吹きの仕方を本番前に一通り練習でき、ついでにニコチンの補給ができました。

突っ込みどころはたくさんありますが、突っ込まないでやってください。

 

2.葉巻が趣味になった経緯・・・目から鱗が落ちる瞬間があった! 

さて、注文して9日目、ついに葉巻が届きました。

荷物を受け取り、関税を払って、ここまではシミュレーション通り。

色々なHPを見て「一か月は葉巻を休ませたほうが良い」なんて書いてあるのを見た記憶が一瞬頭の中を横切りますが、シガーダイレクトは輸送に気を使っている旨をHPで喧伝していたし、ええい、僕はこの会社を信じる! ということで即座に開封しました。

小包を開封しての感想は、

「すごい! 長さが全然違う!」でした。

いつも喫っていたセブンスターと比べて、じゃないです。

同じエディション・リミターダなのに、銘柄によって長さが見事にばらばらだったので驚いたのです。

もうこの時点で葉巻に引き込まれていました。これだけ自由なデザインが許される葉巻というものに、ただただ驚嘆を感じていたんですね。

思えば当時は葉巻どころか市販の紙巻き煙草の知識にすら乏しかったように思います。

ピアニッシモだってあったしメンソール煙草もありました。両切りの煙草も販売されていました。

しかし僕は知らなかった。興味がなかったんです。

今思い返してみても、煙草を喫っていたのは本当にニコチン補給の為だけだった。

意地、みたいなもので煙草を続けていたんですね。周りの圧力でやめるのが嫌だ、みたいな意地。でも実際はやめないとなぁ、とは思っている。で、無理矢理理由を付けて禁煙。理由が浅薄だから続くはずがない。結局失敗、そこにまた理由づけ、僕の禁煙はこんなことの繰り返しでした。

 

その無間回廊から脱出する瞬間。これは今でも鮮明に憶えています。

 

最初に喫ったのはパルタガスのセリー・D・エスペシャでした。

僕は葉巻というのは煙草を更に強力にしたようなものだと考えていました。

つまり、とてつもなく強くてとてつもなく辛い、それが葉巻だと。

そしてそれを喫うことこそが煙草と縁を切る一番の記念になると妄信していました。

良い煙草がどういうものか、僕はまるで分っていませんでした。

 

火をつけてひと喫いしてみる。

…。

ん!? 

甘い!? これ、甘いぞ!? 

 

そう、甘かったんです。辛いだけの煙草しか喫っていなかった、いや、辛いだけの煙草を喫う方法しか知らなかった僕にとって、これは衝撃的でした。

煙は柔らかく、肺に入れても心地よい強さが響くばかり。ニコチンの陶酔感と、クリームのような濃厚な甘み。思わず「く~~~っ!」と口走っていました。

ニコチンに飢えていたことも原因の一つにあるのでしょうが、本当に感動しました。

葉巻がこんなに美味しくて素晴らしいものだったなんて! 

そして僕はこの時、陶酔に浸りながら何故か、自分の初恋を思い出していました。

 

人生の中で、目から鱗が落ちる様な瞬間って、なかなか無いと思うんです。

それは齢を重ねるほどに色々なことを知っていくからで、逃れようのないことだと思うんです。

それがこんなところにまだ残っていた。

 

まるで子供のようにウキウキワクワクしました。

完全に幼児退行して初恋の思い出を巡らせている間に、最初の葉巻は終わりました。

続いて二本目。トリニダッドのショート・ロブストスです。

こちらは喫った時の衝撃ではパルタガスに敵わないものの、より荒々しく、それでいて更にきめ細かい煙。

まるでオレンジがきめ細かいふかふかのパンの上に乗っていて、そこに黒コショウを散らしたものを煙として喫っているかのようでした。

これは素晴らしい体験で、この銘柄は後に箱買いしています。

次の日に三本目、モンテクリストのグラン・エドモンド

青草のような香りがすっとしたかと思うとそこに木の香りがグッと乗ってくる。

今までのものよりも軽めの味わい、あっさりとしていて爽やか。味が途中でぐんにゃりと変わっていく。

どストレートに美味しい葉巻ではありませんでした。

何より甘さが無い。

煙草葉の甘さに魅せられていた僕にとってはあまり美味しい葉巻だとは思えなかった。

しかしそれでも驚きがありました。

「同じ葉巻なのにこんなにも味わいが違う!」

これも紙巻煙草ではできなかった体験でした。

昨日のウキウキワクワクが続いていたのもあり、喫ったのが好みに合わない葉巻だったにも拘らず、もう止められない。 

ここから葉巻にどっぷりはまりました。

 

3.趣味が広がるということ・・・煙草が趣味になり、煙草が趣味を広げた

葉巻を始めてからというもの、今までの煙草生活はがらりと姿を変えました。

いろんな種類の葉巻を試し、個人輸入でトラブルを経験し、葉巻の保管で失敗し。

パイプ煙草、手巻煙草にも手を出しました。

今まで惰性で喫っていた紙巻煙草にも様々な味わいがあることに気づきました。

一番良かったのは、葉巻とお酒とのマリアージュを探り始めたことでした。

葉巻と一緒に毎晩お酒を飲むので鍛えられ、あまり好きでなかったお酒が美味しいと感じられるようになりました。

それまで会社の飲み会で「最初の一杯だけ」だった僕が、「強いねぇ」と言ってもらえるほど飲めるようになりました。

そこそこ飲めるようになったためか、飲み会が楽しくなりました。

それまで非常に苦手だった飲み会が楽しくなることで、多方面に自信が付きました。

恐らく、趣味が広がるということは、趣味として没頭していたものから生活に良い影響が生じ、その生じた良い影響が自分と人との新しい関係を結んでいく・・・そういったものだと僕は考えています。

 

5.まとめ

趣味が広がるということには計り知れない力があります。

そして、その趣味の領域に於いて、煙草という趣味は侮れない奥深さと計り知れない楽しさを持っていると、僕は実感しています。

 

この記事を読んで葉巻に少しでも興味を持った方がいたら、嫌煙のご時世ですが、まず始めてみてください。

そこには驚きが、目から鱗が落ちる瞬間が、あるはずです。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。